2025/04/30 08:32:56
  • 東雲研修センター  ニュースレター No.71

  東雲研修センター  ニュースレター No.71
{COL2}様

 いつも東雲研修センター及び公式HPをご利用頂きましてありがとうございます。

 ガソリン価格やガス・電気などの光熱費の高騰は終わりが見えず、気付けば年単位で私たちの生活に影響を及ぼしています。これは、ここ数年で世界のエネルギー事情が大きく変化したためですが、では何故ここまで私たちの生活に影響を及ぼすのかと言うと、日本のエネルギー自給率がきわめて低いことに他なりません。自国で化石燃料が賄えないと輸入に頼らなくてはならず、有事の際には世界で争奪戦となって価格が上がり、巨額の貿易赤字も生み出します。実際に、日本は輸入資源に依存し過ぎているために、2022年に過去最大の貿易赤字を記録してしまいました。
 「資源が無いのだから仕方がない」と考えてしまいそうですが、脱炭素社会を目指す今、化石燃料から再生可能エネルギーへの転換が求められています。見方によっては今が転換するチャンスでもあります。実際に日本ではエネルギー自給率を上げるべく、既に対策に乗り出しています。そしてそれは国としてだけではなく、私たち個人にも求められています。難しい課題ではありますが、私たちもまずは現状のエネルギー事情を知り、今後の対策に真摯に向き合って行くべきだと考えます。

ということで、今回は「日本のエネルギー事情と今後の取り組み」について一緒に学んで行きましょう



                                  橋本総業株式会社
                                  東雲研修センター事務局


INDEX
【1】研修情報‥‥東雲研修センター 定期研修情報
【2】エコ次郎先生とエコ娘のなるほど講座‥‥【日本のエネルギー自給率と今後の取り組み】
【3】日本のエネルギー自給率を上げるために個人でできること
【4】編集後記‥‥エコ次郎の小ネタ横町
 
【1】東雲研修センター 定期研修情報
 東雲研修センターの定期研修は、直接のお客様だけでなく、メーカー様や関係団体、橋本総業(株)と多少でも関係のある方々でしたらどなたでも受講できます。
 現在東雲研修センターで募集している研修のご案内です。特徴は、座学だけでなく研修によって現調、試運転、設置、組立などの実習が含まれていて、ホームページから申し込みが出来ます。是非ご検討下さい。




【現在受講生募集中の研修一覧(2025年10月まで)】
7月8日(火)システムバス現調研修10:00〜15:008,000円15名
7月24日(木)*ガス給湯器・ハイブリッド給湯器現調研修10:00〜15:008,000円15名
8月21日(木)エアコン施工研修10:00〜17:0012,000円10名
8月26日(火)便器・WL設置研修10:00〜15:0012,000円15名
9月18日(木)エアコン施工研修10:00〜17:0012,000円10名
10月7日(火)システムバス現調研修10:00〜15:008,000円15名
10月16日(木)パッケージエアコン施工研修10:00〜17:0017,000円*8名
10月28日(火)便器・ウォシュレット設置研修10:00〜15:0012,000円20名

*東雲研修センターでは、年2回ガス給湯器・ハイブリッド給湯器現調研修を実施していますが、ガス給湯器・ハイブリッド給湯器ともに実演が出来る希少な設備が整備されています。


 ◎東雲で開講の研修は昼食をご用意しています。
 ◎受講料は税込です


2025年度の全研修スケジュール・お申し込みは こちらから


【2】エコ次郎先生とエコ娘のなるほど講座
本日のお題 【日本のエネルギー事情と今後の取り組み】
エコ娘 エコ次郎先生、こんにちは!遂に大阪万博が開幕しましたね。知り合いの大阪在住のおじさんが通気パスを買って毎日のように通っていて、結構楽しんでるみたいなんです。おじさんのInstagramに写真がアップされるんですけど、しょっちゅう見ていたら段々ミャクミャクが可愛く見えて来ちゃって、グッズが欲しくなって来ちゃいました(笑) 先生は万博に行く予定はあるんですか?
エコ次郎 エコ娘くん、こんにちは。大阪に住んでいたら通気パスは買いたいですよね。私は今のところ行く予定はないですが、夏休みに行かれたらと思っています。
エコ娘 いいなぁ!その時はミャクミャク1つお願いします!!
ところでなんですけど、今回の万博は未来のエネルギー技術が集結しているみたいですね。そこからエネルギーに興味が湧いて色々調べてみたら、日本のエネルギー自給率がたったの12.6%(2022年度)で、ものすごく低いことに気付いてびっくりしちゃいました!
エコ次郎 1つの事柄からその先の情報まで知りたくなるなんて、本当にエコ娘くんは勉強家ですね。いずれ私の方が教えていただく立場になりそうです。
日本はエネルギー資源の多くを海外からの輸入に依存しているために、エネルギー自給率が先進国の中でも特に低い水準にあります。何故輸入に頼らなくてはならないかと言いますと、日本には石油、天然ガス、石炭といった化石燃料が乏しいからなんです。国内には小規模な油田が存在しますが、国内需要を満たすには遠く及びません。また、天然ガスの国内生産量も2022年度時点で全体の約2.2%に過ぎず、石炭についても現在はほとんど生産されていません。
ちなみに主な輸入先ですが、石油はアラブ首長国連邦、サウジアラビア、クウェート、カタールなどの中東地域、天然ガスは主にオーストラリア、マレーシア、カタール、石炭は70%以上がオーストラリア、残りをインドネシア、米国、カナダ、ロシアなどから輸入しています。
エコ娘 へぇぇ、そんなにあちこちから。つまり、日本は資源が無い無い尽くしなんですね。
エコ次郎 そうなんです。この資源不足を補うために2022年時点で原油(石油)の海外依存度は99.7%、LNG(液化天然ガス)は97.8%、石炭は99.7%でした。しかし、今まではこれで良かったのですが、「無いなら輸入すればいい」という考えはもう捨てなければならないのです。
エコ娘 え、そうなんですか?輸入の何が問題なんですか?
エコ次郎 2020年に入ってから、世界的なエネルギー価格の高騰やロシアのウクライナ侵略、中東情勢の悪化なども生じてエネルギーを巡る不確実性が増加してしまったんです。さらに日本では円安の影響もあって、石油や石炭などの化石燃料の輸入額は2020年から2022年の2年間で22.4兆円も増加してしまい、2022年には過去最大の貿易赤字(年間20兆円超)を記録したんです。これは輸入資源に依存し過ぎているからに他なりません。日本は海外から多くのものを輸入していますが、圧倒的な比率を占めているのが化石燃料なので、ここを改善しなければ貿易赤字を減らすことは難しいでしょう。
エコ娘 えっと、、びっくりです。私の不勉強なんですけど、何となく日本は貿易黒字だと思い込んでいたのと、化石燃料っていうものが一番輸入量も輸入額も多いって知らなかったので。過去最大の貿易赤字を記録っていうのは今騒いでも仕方がないですけど、これ以上記録更新はしないように国を挙げて取り組まないといけないですよね!
エコ次郎 まさにその通りですね。このようなリスクを根本的に解決するには、徹底した省エネや、脱炭素エネルギーへの投資促進策などを通じて、エネルギー危機に強い需給構造へと転換することが極めて重要です。そこで日本では2023年7月に「GX推進戦略」を策定。世界中で加速する化石燃料を中心とした産業構造・社会構造を変革し、CO2を排出しないクリーンエネルギー中心へと転換する「GX(グリーントランスフォーメーション)」に、我が国も既に取り組んでいます。
エコ娘 そうなんですか!もう既に動き出しているんですね!
エコ次郎 はい、そうです。具体的には、再生可能エネルギーの導入拡大をし、2030年度までに再生可能エネルギーの電源構成比を36〜38%にまで引き上げる目標を設定しました。この目標達成に向けて、太陽光発電や風力発電の導入促進はもちろんのこと、地熱発電や洋上風力発電にも注力しています。これはあまり知られていないと思いますが、実は日本は世界第3位の地熱資源保有国で、地熱発電のポテンシャルは非常に高いんですよ。地熱発電は天候に左右されず安定的な発電が可能で、発電後の熱水をハウス栽培などに活用できる利点もあります。
また、海に囲まれた日本の地理的特性は洋上風力発電にも向いているんです。洋上風力発電は、陸上に比べて大規模な開発が可能で、今後の成長が期待されている分野なんですよ。
エコ娘 地熱発電に洋上風力発電、今日は全く知らないことばかりでテンションが上がっちゃいます!てっきり日本で期待できる再エネは太陽光発電くらいかと思っていたので、他にも可能性を秘めているなんて、何か嬉しいですね!
エコ次郎 私も同感です。島国であることが再エネの強みになるなんて嬉しいですよね。
目標達成に向けて国の取り組みだけではなく、企業や自治体にも再生可能エネルギーの導入を促進するために、地域脱炭素移行・再エネ推進交付金の創設など、さまざまな支援策を講じていまして、これらの取り組みによって地域レベルでの再生可能エネルギーの普及を後押ししています。
一方で、再生可能エネルギーの導入には技術的な課題やコスト面での問題、設置場所の確保など、克服すべき障壁も存在します。そのため、政府は研究開発への投資や規制緩和、インフラ整備などの施策を並行して進めています。
エコ娘 そっか、期待できる再エネがあるからってすぐにシフトできる訳じゃないんですね。でも、先延ばしにはできない課題だと思うので、頑張ってもらいたいな!
エコ次郎 本当にその通りですね。世界情勢に左右されないためにも、安定したエネルギー自給が実現できたら私たちの生活も安心材料が増えます。しかし、目標達成までの道のりは決して平坦ではなく、技術革新や社会システムの変革、そして国民の理解と協力が不可欠ですので、私たちもできること、取り組めることを率先してやって行きたいですね!
エコ娘 私たち個人にもできることってあるんですか?
エコ次郎 ありますよ〜。もちろん高校生のエコ娘くんでもできることもあるので、次の項目でご紹介したいと思います。
エコ娘 私も参加できるなんて嬉しいな!先生、ぜひ教えてください!
エコ次郎 はい、お任せください!

【3】日本のエネルギー自給率を上げるために個人でできること

 日本のエネルギー自給率向上は国家的課題ですが、個人レベルでも貢献できる方法があります。


再生可能エネルギーの選択
 再生可能エネルギーの選択は、個人レベルでエネルギー自給率向上に直接貢献できる方法です。具体的には、家庭用太陽光発電システムの導入が挙げられます。太陽光発電は、晴れの日はもちろん、曇りの日でも一定量の発電が可能です。
 さらに蓄電池と組み合わせることで、夜間の電力使用や災害時の電力確保にも対応できます。また、電力会社の選択において、再生可能エネルギーの比率が高い事業者を選ぶことも有効です。
 2016年4月からの電力自由化により、各家庭で電力会社を選択できるようになりました。再生可能エネルギーを活用した電力を選ぶことで、国全体のエネルギーミックスの改善に貢献できます。

省エネ行動の心がけ
 省エネ行動は、エネルギー消費量を減らすことで間接的にエネルギー自給率の向上に貢献します。具体的には、照明やテレビのこまめな電源オフ、エアコンの適切な温度設定などが挙げられます。冷房時にはカーテンを閉め、暖房時には扇風機を活用して暖気を循環させるなど、工夫次第で効果的な省エネが可能です。
 例えば、エアコンの設定温度を27℃から28℃に上げるだけで、年間で約30kWhの電力使用量削減につながります。節約となるうえに、CO2排出量も減少させます。こうした小さな行動の積み重ねが、国全体のエネルギー消費量削減に寄与するのです。

エシカル消費の継続
 エシカル消費とは、環境や社会、人々や地域に配慮した製品やサービスを選んで消費することを指します。具体的には、エコ商品やリサイクル品の購入、資源保護の認証がある商品の選択、再生可能エネルギーを利用している企業のサービス利用などが挙げられます。これらの選択は、環境負荷の少ない製品やサービスの需要を高め、結果としてエネルギー効率の良い製品開発や再生可能エネルギーの普及を促進します。「安いから」「便利だから」という理由だけでなく、その商品やサービスがどのように生産され、どのような影響を与えるかを考慮して選択することが、未来のエネルギー問題解決につながります。


【5】編集後記 〜エコ次郎の小ネタ横町〜

 皆さま、こんにちは。エコ次郎でございます。緑が眩しい季節となりました。休日の公園の散歩も気持ちが良く、遠出は予定していないGWですが、近所でも十分リフレッシュができそうです。

 さて、今日はミツバチのお話しです。私はヨーグルトに蜂蜜の組み合わせが好きで、朝食に良く頂いています。蜂蜜は誰もが知るミツバチのお陰で食べられるのですが、もしミツバチが世界から居なくなってしまったら、蜂蜜が食べられなくなるだけでなく、驚くことに世界の食文化が衰退してしまうのだそうです。ミツバチは花粉を運んで花々の受粉を手助けしますよね。この役割を「ポリネーター」と呼ぶのだそうです。ミツバチは世界の農作物の90%に関与していて、食糧生産の3分の1はミツバチの働きに依存している、とのこと。もしミツバチが居なくなってしまうと、受粉は人の手で行うことになり、圧倒的に時間も費用も掛かることから生産量は減ってしまいます。それによって値段の高騰は必須。家畜の飼料の生産量も減り、食肉の供給も不安定になる可能性も。つまり、ミツバチの影響力は絶大なのです。

 たかがミツバチ、されどミツバチ。生態系というものは、1つ欠けたり減少すると全てが狂ってしまうのですね。ミツバチは農薬や自然環境の変化で既に減少傾向にあり、国連が5月20日を「世界ミツバチの日」に制定し、保護を図っています。では、私たちにできることは何か?それは、「植物を植えること」だそうです。ミツバチの休憩所となる植物が街中に増えると、自然とミツバチの保護に役立つそうです。蜂蜜好き、植物好きの私としては、ぜひお役に立ちたいと思います。そうだ、特に予定の無いGWに花の苗を買いに行こう!それと、連休中は朝食をゆっくり堪能できるので、ミツバチに感謝をしながらいつも以上に蜂蜜を味わって頂きたいと思います。それでは皆さんも有意義な連休をお過ごしください。




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