2025/10/29 15:19:09
  • 東雲研修センター  ニュースレター No.77

  東雲研修センター  ニュースレター No.77
{COL2}様

 いつも東雲研修センター及び公式HPをご利用頂きましてありがとうございます。

 皆さんは、日本が独自に整備を進める衛星測位システムで、日本版GPSと呼ばれる準天頂衛星システム「みちびき」についてご存知でしょうか?これまでの衛星測位サービスは、米国が運用するGPS衛星を利用していたため、視界に入る衛星数が少ないなどの理由により安定したサービスが受けられませんでした。しかし、GPS衛星と互換性を持ち、GPS衛星と一体で利用することができる「みちびき」が2018年11月にスタートし、衛星測位のサービス環境が劇的に進化しました。『2026年度に7機体制』を目標とし、今年7月18日から6号機(5機目)の運用が開始しています。
 私たちの生活には既に当たり前となっているGPSですが、「みちびき」が加わることでサービスがどれくらい向上し、どんな新たなサービスに繋がるのか?今大注目の「みちびき」について今日は学んでいきたいと思います。


                                  橋本総業株式会社
                                  東雲研修センター事務局


INDEX
【1】研修情報‥‥東雲研修センター 定期研修情報
【2】エコ次郎先生とエコ娘のなるほど講座‥‥【準天頂衛星システム「みちびき」とは】
【3】「みちびき」7機体制の特徴
【4】編集後記‥‥エコ次郎の小ネタ横町
 
【1】東雲研修センター 定期研修情報
 東雲研修センターの定期研修は、直接のお客様だけでなく、メーカー様や関係団体、橋本総業(株)と多少でも関係のある方々でしたらどなたでも受講できます。
 現在東雲研修センターで募集している研修のご案内です。特徴は、座学だけでなく研修によって現調、試運転、設置、組立などの実習が含まれていて、ホームページから申し込みが出来ます。是非ご検討下さい。






【現在受講生募集中の研修一覧(2026年3月まで)】
予定日研修名時間受講料(税込)定員
11月7日(金) ガス可とう管資格研修   10時〜17時  17,000円  50名  
12月4日(木) 配管接続研修   10時〜14時  8,000円  20名  
1月16日(金) ガス給湯器現調研修   10時〜15時  8,000円  15名  
1月22日(木) システムバス現調研修   10時〜15時  8,000円  15名  
2月17日(火) 便器・ウォシュレット設置研修   10時〜15時  12,000円  20名  

◎東雲で開講の研修は昼食をご用意しています
◎受講料は税込です


2025年度の全研修スケジュール・お申し込みは こちらから




【2】エコ次郎先生とエコ娘のなるほど講座
本日のお題 【準天頂衛星システム「みちびき」とは】
エコ娘 エコ次郎先生、こんにちは。今日は単刀直入に『準天頂衛星システム「みちびき」』について教えてください!
エコ次郎 エコ娘くん、こんにちは。ついにエコ娘くんの興味は地球を飛び出しましたか!しかし急に何故「みちびき」に興味を持ったのですか?
エコ娘 今ドラマで人工衛星を女子4人で作って打ち上げる話しを見ていて、単純にその影響で人工衛星について知りたくて調べ始めたら「みちびき」にたどり着いたんです。うっすら聞いたことあるなーって思ったんですけど、日本版GPSなんて言われたらどんどん興味が湧いちゃって。だから今日はエコ次郎先生に聞いてみようと思っていたんです。
エコ次郎 そうでしたか。実は私もそのドラマを楽しみにしているので、若い方の興味をそそっていることをとても嬉しく感じます。
エコ娘くんはGPSはもうご存知のようですね?
エコ娘 知ってはいるんですけど、カーナビとかケータイの位置情報とかに使われているっていうことと、人工衛星がそのサービスを提供しているっていうことくらいですけどね。
エコ次郎 高校生でその知識は十分ご存知の域ですよ!
まず、GPSは「Global Positioning System」の略で、人工衛星からの電波を受信して地球上の現在地を特定する全地球測位衛星システムのことです。GPSはアメリカによって運用されているのですが、元々はアメリカでの軍事用途を目的に開発されたんですよ。
エコ娘 へぇ〜、軍事用途だったんだ!?それが何で一般でも使えるようになったんですか?
エコ次郎 1983年に起きた大韓航空機撃墜事件の発生がきっかけなんです。大韓航空のボーイング747が、ソビエト連邦の領空を侵犯したためにソ連防空軍の戦闘機により撃墜された事件なんですけど、航空路を外れてしまってもそのことに気づけなかったことが原因だったんです。この事件を受けて、後に民間機の安全な航行のために民間利用にGPSが開放されることとなり、今では私たちの生活において個人が当たり前に利用するものになっているんです。
エコ娘 そうだったんですか、そんな経緯があったとは知りませんでした。事件はすごく悲しいけど、軍事用途から世界中の人々に開放されたことはすごいことですよね。事件で犠牲になった方々の命と引き換えに、私たちはGPSで便利な毎日を送れている訳だから、ありがたく感じないといけませんね。
先生、GPSが世界で使えるのに、何でわざわざ日本が「みちびき」を運用する必要があるんですか?GPSだけじゃダメなんですか?
エコ次郎 そこが一番気になるところですよね。GPSは位置情報を算出してくれるもので、私たちの生活を便利なものへと変えてくれました。カーナビや交通関連だったり、防災にも非常に役立ってくれています。しかし、GPS衛星は都市部や山間部ではビルや樹木などに電波が遮られて可視衛星数が減り、位置情報が安定的に得られないこともあって、完璧とは言えないんですね。そこで、時間帯や場所を選ばず、いつでもどこでも利用できる安定した衛星測位サービスを実現するために、GPS衛星と互換性を持ち、GPS衛星と一体で利用することができる「みちびき」を運用することになったのです。
エコ娘 そうなんだ、つまりGPSの安定性を高めるイメージなんですね。
エコ次郎 はい、そうなります。みちびきは日本を中心としたアジア・オセアニア地域に特化していて、2010年に初号機が、2017年度にさらに3機が打ち上げられ、2018年11月から4機体制での運用が始まりました。それにより、常にほぼ天頂方向に測位衛星が存在している状態になったので、これまで以上に多くの測位衛星からの信号が得られるようになり、今まで苦手とされていた場所でもより安定した測位を行うことができるようになったんですよ。
衛星測位において重要な要素のひとつが、「地上から衛星がどれだけ見えやすいか?」なのですが、地上で高精度な位置情報を取得するには、4機以上の測位衛星から同時に信号を受信する必要があるので、衛星の数が多く、安定して見える時間が長いほど測位精度は向上します。また、特定の方向に衛星が偏って見えている状態では測位誤差が大きくなる傾向があるため、天空全体に衛星がまんべんなく散らばっていることも、精度確保の鍵になります。みちびきは、静止軌道(GEO)準天頂軌道(QZO)という2種類の軌道に衛星を配置することで、「見えやすさ」と「配置のバランス」を両立させているのです。
エコ娘 なるほどぉ!人工衛星って複数台がそれぞれで勝手に信号を送っているだけじゃなくて、その信号を総合すると位置情報が向上するんですね。何となく角度によって「今は初号機、今は2号機」っていう風に単体の信号を読んでるのかと思ってました。すごく勉強になります。
エコ次郎 知っていくと益々興味が湧いてきますよね。
エコ娘 はい、もっと知りたくなりました!
先生、今ってみちびきは何台で運用しているんですか?
エコ次郎 今年の2月2日に打ち上げられた6号機が7月18日から運用をスタートしたので、今現在は5機体制です。さらに、2027年度には7機体制を目標に計画が進められているんですよ。
エコ娘 7機も?! 4機でも十分な気がしちゃうけど、7機に増やすことでそんなに違いってあるんですか?
エコ次郎 良い質問ですね!もちろん違いがあります。実は追加の3機には新たな技術が搭載されるので、測位精度がさらに向上するんです。せっかくですので、詳しくは次の項目でご説明させていただきたいと思います。
エコ娘 はい、ぜひお願いします!
エコ次郎 お任せ下さい!

【3】「みちびき」7機体制の特徴

単独での持続測位の実現
 みちびきは、2027年度に7機体制での運用を目標にしています。7機体制になることで、日本上空からは常に4機のみちびき衛星が見える状態となり、海外の衛星に頼ることなく、みちびき単独での高精度な位置情報の取得が可能となります。
(※ 衛星測位には4機以上の測位衛星が必要)


高精度測位技術「ASNAV」搭載
 6号機を含む追加の3機には、新たな高精度測位技術「ASNAV(Advanced Satellite Navigation System)」が搭載されており、以下の2つの要素によって測位精度が向上します。

衛星間測距システム:衛星同士の距離を測定することによって、衛星間の位置誤差を減らし、精度を向上させる

衛星/地上間測距システム:衛星と地上の間で双方向で距離を測ることにより、これまで衛星・地上双方の時刻情報により信号の到達時間から計算して求めた際の距離誤差を打ち消し、測位精度をさらに高める

 衛星測位システムでは、地上の位置情報を「距離・速さ・時間」の関係から算出するため、衛星が持つ時刻情報や軌道上の位置について、地上とのズレがあると測位誤差が生じます。ASNAVではこの誤差を抑え、より高い測位精度を実現。全てのみちびきの機体にこの機能が搭載されると、スマートフォンやカーナビを使ったユーザーの測位誤差範囲は5〜10mから1mまで小さくなる見込みです。


高精度測位補強サービス「MADOCA-PPP」
 MADOCA-PPP は、準天頂衛星みちびきがサービス提供する、アジア・オセアニア地域で利用可能な測位方式で、ネットワークを使用し外部から補正情報を得る必要がなく、海洋上や通信インフラの利用が難しい地域でも精密な位置情報を得ることができます。この仕組みにより外部との通信設備が不要となり、農機・建機の自動運転や、海洋上での船舶の正確な位置やアジア・オセアニア地域における正確な位置情報の取得が可能になります。
 従来のMADOCA-PPPは、受信機の利用開始から準天頂衛星みちびきが提供するサービスの仕様で規定される測位精度(水平 30cm 垂直 50cm(95%))に収束するまで、最大で30分程度の時間を要するため、機器の電源を入れてから作業開始までに待ち時間が生じていましたが、みちびき6号機及び7号機(2025年度打ち上げ予定)から新たに配信される広域電離層補正サービスは、高精度な位置情報を得るまでに必要な時間が最大10分程度と大幅に短縮され、利便性が向上します。これにより、機器の電源を入れてから作業開始までの待ち時間が短縮され、農機・建機の自動運転への活用範囲拡大が期待されます。また、測位以外の用途として、大気中の水蒸気量の推定に活用することで天気予報の精度向上に効果が期待されます。
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 内閣府は、どの衛星が故障しても測位機能を維持できるよう、バックアップ体制を含めた安定した運用の実現と利用可能領域の拡大のため、将来的には11機体制の実現を目指しています。既に、経団連や自動車メーカー、インフラ関連企業等の産業界から強い期待の声が上がっています。



【4】編集後記 〜エコ次郎の小ネタ横町〜

 皆さま、こんにちは。エコ次郎でございます。先月編集後記を書いていた時は、9月とは思えぬ暑さに疲れを感じていましたが、1ヶ月後にはしっかり秋になりましたね。こんなに急に季節が変わると、去年の10月の暑さが超異常だったのだと改めて気づかされます。やはり10月はこれくらい過ごしやすくないと、夏の疲れが抜けません。願わくば、もう少しだけ残暑が優しいものであったなら、とは思いますが...

 さて、今日は大手コンビニで出会ったエコについてです。先日妻の知り合いから「秋の味覚を味わう会」に声を掛けていただき、少し田舎の方へ出かけました。道中で休憩がてらファミリーマートに寄った時のことです。入口を入ってすぐ右側に、食品が入れられた箱が置いてあることに気がつきました。中身はさまざまなレトルト食品や、ペットボトルのジュースやお茶、缶詰などで、特に関連性のない飲食物を集めたような感じでした。値札もつけられていないので、見切り品ではなさそう。では、これは一体何なのだろう?

 じっくり見てみると、箱には「ファミマフードドライブ」の文字。この時に初めて知ったのですが、これは家庭で余っている食品を寄付するもので、集まった食品は地域の子ども食堂や、NPOを通して食支援が必要なご家庭などに届けられるそうです。寄付できるものは、賞味期限が2ヶ月以上のもの、常温保存が可能で未開封のもので、調味料なども対象です。この時はたまたま立ち寄った店舗だったために、寄付できる食品は持ち合わせていませんでしたが、確かに我が家にも“買っておいたけれど結局食べていないレトルト食品”がいくつかあるので、ぜひ次の機会には箱に入れてみたいと思いました。

 年齢のせいなのだと思うのですが、妻がスーパーの特売で中華料理のタレを嬉しそうに買って帰ってきて、ストックしようとキッチンの引き出しを引いたら、既に前に買った全く同じものが鎮座していた、ということが増えました。私はいつでも麻婆豆腐や回鍋肉は大歓迎なのですが、麻婆豆腐は豆腐さえあればどうにかなるので「つい奥の手に取っておきたくなる」そうで、回鍋肉も最悪キャベツと豚肉さえあれば作れるので「いざという時のために取っておきたくなる」のだそう。素直に「買ったことを忘れていた」とは言えないのでしょう(笑) 今度はこっそりストックをファミマフードドライブに入れて、妻の面目を保つために 男 エコ次郎、静かに優しさを発揮したいと思います。

 ファミマフードドライブは、実施していない店舗もまだ多くありますので、寄付をされる際は事前に対象店舗かどうかのご確認をおすすめします。



[発行] 東雲研修センター  https://www.eco-reform.org/

    東京都江東区東雲2-9-7   東雲配送センター内
    営業日 月〜金:9時〜17時  土:応相談
    お問い合わせ 03-3665-9033(本社窓口)

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