2025/06/30 11:44:12
  • 東雲研修センター  ニュースレター No.73

  東雲研修センター  ニュースレター No.73
{COL2}様

 いつも東雲研修センター及び公式HPをご利用頂きましてありがとうございます。

 先日、労働施策総合推進法等の一部を改正する法律(「カスハラ対策法」)が参議院本会議で可決・成立しました。施行されると、企業規模を問わず従業員を悪質なクレームから守る防止措置の整備が義務となります。こうなった背景には、近年カスハラが社会問題となっているにも関わらず法整備が遅れていること、それによって多くの企業が従業員個人の対応力や忍耐に頼る形でこの問題と向き合ってきたことがあります。しかし、SNSの普及により、悪質なクレームが可視化されやすくなったことや、「顧客からのハラスメントであっても、それによって従業員の心身の健康が脅かされる以上、企業は使用者として保護措置を講じるべきである」という考え方が司法や行政の場で一般的になりました。そしてやっと今、国が大きく動き出しました。
 カスタマーハラスメント(カスハラ)とはどういった行為が該当するのか、カスハラ対策法とはどういったものなのか、を今回はみなさんと一緒に学んで行きたいと思います。



                                  橋本総業株式会社
                                  東雲研修センター事務局


INDEX
【1】研修情報‥‥東雲研修センター 定期研修情報
【2】エコ次郎先生とエコ娘のなるほど講座‥‥【カスハラとは?】
【3】カスハラ対策法で企業が負う義務
【4】編集後記‥‥エコ次郎の小ネタ横町
 
【1】東雲研修センター 定期研修情報
 東雲研修センターの定期研修は、直接のお客様だけでなく、メーカー様や関係団体、橋本総業(株)と多少でも関係のある方々でしたらどなたでも受講できます。
 現在東雲研修センターで募集している研修のご案内です。特徴は、座学だけでなく研修によって現調、試運転、設置、組立などの実習が含まれていて、ホームページから申し込みが出来ます。是非ご検討下さい。






【現在受講生募集中の研修一覧(2025年12月まで)】
予定日研修名時間受講料(税込)定員
7月24日(木) ガス給湯器・ハイブリッド給湯器現調研修   10時〜15時  8,000円  15名  
8月26日(火) 便器・WL設置研修   10時〜15時  12,000円  15名  
10月7日(火) システムバス現調研修   10時〜15時  8,000円  15名  
10月16日(木) パッケージエアコン施工研修   10時〜17時  17,000円  8名  
10月28日(火) 便器・ウォシュレット設置研修   10時〜15時  12,000円  20名  
11月7日(金) ガス可とう管資格研修   10時〜17時  17,000円  50名  
11月11日(火) エアコン施工研修   10時〜17時  12,000円  14名  
12月4日(木) 配管接続研修   10時〜14時  8,000円  20名  
12月11日(木) エアコン施工研修   10時〜17時  12,000円  14名  
*東雲研修センターでは、年2回ガス給湯器・ハイブリッド給湯器現調研修を実施していますが、ガス給湯器・ハイブリッド給湯器ともに実演が出来る希少な設備が整備されています。

◎東雲で開講の研修は昼食をご用意しています。
◎受講料は税込です



2025年度の全研修スケジュール・お申し込みは こちらから




お知らせ東雲研修センター内の男子更衣室、女子更衣室、シャワー室の改修が完成しました!




【2】エコ次郎先生とエコ娘のなるほど講座
本日のお題 【カスハラとは】
エコ娘 エコ次郎先生、こんにちは。あれ?先生今日は随分とお疲れですね。どうしたんですか?
エコ次郎 あっ、エコ娘くん、こんにちは。すみません、はい...ちょっと疲れています...
実は先ほどお昼ご飯を買いに近所のコンビニまで行ったのですが、レジに列んでいたら目の前でカスハラが始まってしまいまして。外国人の店員さんにタバコの注文が上手く伝わらなかったのが癇に障ったようで、お客がいきなり大声で怒鳴り始めたのですが、恐怖に怯えている店員さんが可哀想で咄嗟に「どうしたんですか?」と声を掛けたら、私まですごい剣幕で怒鳴られてしまいました。。
エコ娘 エコ次郎先生、すごく勇気があるんですね!!そんな場面で声を掛けられるなんて、超カッコいいです!見直しちゃいました☆でも、先生も怖かったですよね...。
ところで、カスハラって何の略なんですか?
エコ次郎 カスタマーハラスメントの略です。先ほど私が遭遇した、店員に対するお客の度を越したパワハラ行為が正にソレなのですが、改正・労働施策総合推進法ではカスハラの定義を
“職場において行われる顧客、取引の相手方、施設の利用者その他の当該事業主の行う事業に関係を有する者の言動であって、その雇用する労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたもの(顧客等言動)により当該労働者の就業環境が害されること ”
と規定しています。
エコ娘 う〜ん、ちょっと少し難しいなぁ...
エコ次郎 そうですよね。ですが、分かりやすい見極めポイントが2つあるんですよ。
1つは、要求内容の妥当性です。要求している内容そのものが、社会の常識から見て理不尽である場合はカスハラに該当します。例えば、購入した商品に不具合があった時に、返品や交換だけでなくその他のサービスまでしつこく要求したり、無理な値引きを何度も要求したりすることなどです。
2つ目は、手段・態様の不相当性です。たとえ要求内容に一部妥当性があったとしても、その伝え方や手段が社会通念上、許される範囲を越えていることもカスハラを見極めるポイントです。例えば、大声で怒鳴る、机を叩く、長時間居座る、土下座をさせる、等が該当します。
エコ娘 なるほど、さっきエコ次郎先生が遭遇してしまったのは2つ目の「手段・態様の不相当性」ですね。他のお客様がいる前でネチネチ怒鳴り散らしている人を私も見たことがあるんですけど、あれは怒鳴られている人ももちろん可哀想なんですけど、見ている側も助けてあげたいけど勇気も出なくて申し訳なくて、結構傷ついちゃうんですよね。騒いで傷付けた人は満足かもしれないけど、誰も幸せになれないなって思います。
エコ次郎 さすが、エコ娘くんは色々な立場に立って物事が考えられて偉いですね!
本当にその通りで、カスハラの被害に遭ったその日だけ落ち込んで終わる人もいれば、PTSDになってしまったり、影響の大きさは人それぞれですが、何も感じない人は1人もいません。ですから、カスハラは絶対に許される行為ではありません。しかし、残念ながら後を絶たず、大きな社会問題となっています。顧客による暴行や脅迫、明らかなる業務妨害といった行為は刑法や軽犯罪法等で規制されていますが、刑罰法規に触れない程度の迷惑な言動や過度な要求に対する法的な規制や、横断的にカスハラの問題に焦点を当てた法的な規制が今は無いのです。
エコ娘 え、それって酷くないですか?被害を受けた側が守ってもらえないなんて。
エコ次郎 そう思いますよね。でも、これからは大丈夫です、安心してください。こうした状況を踏まえ、労働者の就業環境の整備を主な目的として、労働施策総合推進法(パワハラ防止法)の改正の議論が進み、先ほどのカスハラの定義が盛り込まれた労働施策総合推進法等の一部を改正する法律(カスハラ対策法)が6月4日に参議院本会議で可決・成立したんです。
エコ娘 6月4日って、今月じゃないですか!すごいタイムリー!
エコ次郎 はい。早ければ可決・成立1年半後の2026年10月あたりが施行だと思います。
エコ娘 そうなんですね。みんなが安心して仕事に打ち込める環境が整うのは、将来社会人になる私としてもとても嬉しいです。
先生、カスハラに該当する行為についてもう少し詳しく知りたいんですけど、さっき挙げたこと以外にはどんなことがありますか?
エコ次郎 おぉ、さらに詳しく知りたいとは素晴らしい探究心!では、行為の態様具体例を挙げますね。

身体的な攻撃・・・殴る、蹴る、物を投げつける
精神的な攻撃・・・脅迫、中傷、侮辱、名誉毀損、暴言、人格否定
威圧的な言動・・・大声で怒鳴る、机を叩く、長時間居座る、従業員を睨みつける
継続的・執拗な言動・・・何度も同じ内容で電話をかける、SNSで執拗に誹謗中傷する
要求内容が不相当な言動・・・土下座の要求、金銭の不当な要求、自社製品・サービスの無償提供の強要
時間的・場所的拘束・・・長時間にわたり従業員を拘束する、自宅や職場に押しかける
性的言動・・・容姿に関する不必要な発言、性的な冗談、食事へのしつこい誘い

これらの行為は、従業員の心に深い傷を残すだけでなく、メンタルヘルス不調や休職、最悪の場合は離職へと繋がります。そしてそれは、企業にとっても生産性の低下、ブランドイメージの毀損、新たな人材採用コストの増大といった、計り知れない損失となるのです。
エコ娘 なるほどぉ。「こんなにあるんだ!?」って思うのと同時に、「これもカスハラだって認められるんだ!」っていう納得のオンパレードでもありますね。被害者を自分や仲間に置き換えて考えた時に、どの具体例も絶対に受け入れられないですもん。 これからは、こういった理不尽なハラスメントから守られて働けるようになるんですね!
エコ次郎 はい、そうです。そしてカスハラ対策法では、従業員を1人でも雇用する企業すべてに対策が義務付けられます。
エコ娘 そうか、従業員を守ることは企業側の責務ですもんね。
先生、せっかくなので企業に課されるカスハラ対策義務の内容も教えていただけますか?
エコ次郎 はい、もちろんです。では次の項目で『カスハラ対策法で企業が負う義務』について解説しますね。
エコ娘 はい、よろしくお願いします!

【3】カスハラ対策法で企業が負う義務

 現行の改正労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)では、職場におけるパワーハラスメント対策は、大企業・中小企業を問わず、すでに全事業主の義務となっています。 一方で、顧客などからの著しい迷惑行為(カスハラ)については、事業主は「相談に応じること、その他雇用管理上の配慮や、被害者への配慮のための取組を行うことが望ましい」とされ、努力義務に留まっていました。今回の法改正は、この「努力義務」を「義務」へと格上げし、パワハラと同様に、企業がカスハラ対策に組織的に取り組むことを法的に明確に位置づけるものです(「雇用管理上の措置義務」33条1項)。これにより、対策の実行力と実効性を飛躍的に高める狙いがあります。


措置の義務化 詳細
対象 事業主に求められる措置
相談窓口設置 被害相談の受理と適切な対応体制を整備
抑止対策 カスハラ防止の社内ルールや研修を実施
再発防止措置 被害時のケアや対応フローの整備
不利益取扱い防止 相談者への不当な処分を禁止
従業員教育 全従業員への啓発・注意喚起の実施



措置の4つの柱
[1] 事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発
 ・就業規則や服務規律等に「カスタマーハラスメントを一切容認しない」という方針を明確に規定する。
 ・カスハラの定義や、どのような行為が禁止されるのかを具体的に明記する。
 ・この方針を、社内報、ポスター、イントラネット、研修などを通じて全従業員に周知・啓発する。
ポイント〉経営トップが自らの言葉で、従業員を守るという強いメッセージを発信することが、何よりも重要。

[2] 相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
 ・カスハラの相談窓口をあらかじめ設置し、従業員に周知する。
 ・窓口担当者が、相談内容や状況に応じて適切に対応できるようにする。(対応マニュアルの作成、研修の実施など)
 ・ 相談は面談だけでなく、電話やメール、オンラインでも受け付けられるようにするなど、相談しやすい環境を整える。
ポイント〉「相談しても無駄だ」「自分が我慢すればいい」と従業員に思わせない、信頼される窓口を構築する。

[3] 事後の迅速かつ適切な対応
 ・相談があった場合、事実関係を迅速かつ正確に確認する。
 ・事実が確認できた場合、被害を受けた従業員への配慮措置(メンタルヘルスケア、配置転換の検討など)を速やかに行う。
 ・行為者である顧客に対して、組織として毅然とした対応(注意、警告、サービスの提供拒否、警察への通報、弁護士への相談など)を行う。
 ・再発防止策を検討し、実施する。
ポイント〉被害に遭った従業員を一人にせず、会社が「盾」となって守る姿勢を具体的に示す。

[4] プライバシーの保護と不利益取扱いの禁止
 ・相談者のプライバシー保護のために必要な措置を講じ、その旨を従業員に周知する。
 ・従業員がカスハラの相談をしたことや、事実関係の確認に協力したこと等を理由として、解雇その他不利益な取扱いをされない旨を定め、周知・啓発する。
ポイント〉問題を潜在化させないために、安心して声を上げられる環境を整える。


2026年義務化まで時間的余裕があると思うかもしれませんが、この義務に違反した事業主は、報告徴求命令、助言、指導、勧告または公表の対象となるため、今から社内整備を始めることが、法改正後の混乱を防ぐ最良の策です。



【4】編集後記 〜エコ次郎の小ネタ横町〜

 皆さま、こんにちは。エコ次郎でございます。毎日が真夏の暑さで、堪えますね...。関東地方はまだ梅雨明けの発表はありませんが、すでに気持ちは夏真っ盛り。我が家のアイスクリームの消費量がグングン右肩上がりで、エンゲル係数に早くも影響が出ています。

 さて、今日はそんなアイスクリームで小さな小さなエコに励んでいる私の話しです。日頃アイスを食べるのはほとんどが家なのですが、今年は6月でも真夏日が多く、昨今の“多様性”のお陰もあるのでしょうか、男性が外で甘いものを食べていても、昔ほど白い目で見られることは無い気がするのです。私が年をとって人目を気にしなくなっていたり、その辺りが鈍感になっているとも考えられますが(笑)

 暑さのお陰で、休みの日に妻と出かけた時に、出先で妻が「アイスでも食べようか?」と言ってくれることが増えました。もちろん「うん、食べよう!」と喜ぶ私です。そして、ここはエコ次郎。やはり少しでもエコ活動はしたいので、カップかコーンか選べるお店では絶対にコーンを選択しています。今はアイスのカップはプラスチックではなく紙カップを使用しているお店がほとんどだと思います。プラスチックより紙は環境に優しい、と言われていますが、外で紙カップのゴミが出て、それを家に持ち帰り、水洗いをしてリサイクルに回すことはまず無いでしょう。一般的なゴミと一緒に焼却処分になると、そこで二酸化炭素を発生させてしまい、結局は地球環境の破壊に加担してしまいます。しかも忘れてはいけないのがスプーン。いくらカップを紙にしても、意外とスプーンはプラスチックというお店が多い気がします。であるならば、スプーンを使わずに全てを食べてしまえるコーンは素晴らしいアイテムだと思うのです。少しでもお腹も満たされますし、何より美味しいです。特にワッフルコーンなら嬉しさ2倍です。

 小さなことでもエコ活動はできるものです。今年はこのエコ活動の機会が多いこと間違いありませんので、率先してコーンを楽しみたいです。エコ次郎、今夏はエコーン次郎と称してがんばります。




[発行] 東雲研修センター  https://www.eco-reform.org/
    東京都江東区東雲2-9-7   東雲配送センター内
    営業日 月〜金:9時〜17時  土:応相談
    お問い合わせ 03-3665-9033(本社窓口)

 ※送信が不要の場合は、その旨このメールへの返信でご連絡ください。