2025/09/29 10:54:05
  • 東雲研修センター  ニュースレター No.76

  東雲研修センター  ニュースレター No.76
{COL2}様

 いつも東雲研修センター及び公式HPをご利用頂きましてありがとうございます。

 長かった夏がようやくひと段落し、体に負担の少ない気候になりました。気候が落ち着いたお陰で、夏の間ずっと付いて回っていた水問題も落ち着いています。先月は日本国内における水問題について勉強しましたが、世界には常に水問題と向き合っている国々が数多く存在しています。一時的な困難でなく、常に直面していることで紛争が起きたり、安全な水にアクセスできずに命を落としていく子どもが後を絶ちません。日本とは全く次元の違う世界の水問題は具体的にどのようなものなのか、どう解決に導いていったら良いのか、どのような取り組みが成されているのか。今回はこの問題について学んでいきたいと思います。


                                  橋本総業株式会社
                                  東雲研修センター事務局


INDEX
【1】研修情報‥‥東雲研修センター 定期研修情報
【2】エコ次郎先生とエコ娘のなるほど講座‥‥【世界の水問題】
【3】世界の水問題に対する日本企業の取り組み
【4】編集後記‥‥エコ次郎の小ネタ横町
 
【1】東雲研修センター 定期研修情報
 東雲研修センターの定期研修は、直接のお客様だけでなく、メーカー様や関係団体、橋本総業(株)と多少でも関係のある方々でしたらどなたでも受講できます。
 現在東雲研修センターで募集している研修のご案内です。特徴は、座学だけでなく研修によって現調、試運転、設置、組立などの実習が含まれていて、ホームページから申し込みが出来ます。是非ご検討下さい。






【現在受講生募集中の研修一覧(2026年3月まで)】
予定日研修名時間受講料(税込)定員
10月7日(火) システムバス現調研修   10時〜15時  8,000円  15名  
10月28日(火) 便器・ウォシュレット設置研修   10時〜15時  12,000円  20名  
11月7日(金) ガス可とう管資格研修   10時〜17時  17,000円  50名  
12月4日(木) 配管接続研修   10時〜14時  8,000円  20名  
12月11日(木) *エアコン施工研修   10時〜17時  12,000円  14名  
12月18日(木)19(金)2日間 【特別講習】多能工実践プログラム1/トイレリフォーム実習(内装工事)   10時〜17時  みらい会会員様経由限定価格 49,500円(一般価格 99,000円) 2名  
1月16日(金) ガス給湯器現調研修   10時〜15時  8,000円  15名  
1月22日(木) システムバス現調研修   10時〜15時  8,000円  15名  
2月3日(火) エアコン施工研修   10時〜17時  12,000円  14名  
2月12日(木) *パッケージエアコン施工研修   10時〜17時  17,000円  8名  
2月17日(火) 便器・ウォシュレット設置研修   10時〜15時  12,000円  20名  
3月12日(木) *エアコン施工研修   10時〜17時  12,000円  14名  

*参加条件あり 詳細はHPをご覧ください

◎東雲で開講の研修は昼食をご用意しています
◎受講料は税込です


2025年度の全研修スケジュール・お申し込みは こちらから





【特別講習】多能工実践プログラム1/トイレリフォーム実習(内装工事)
東雲研修センターでは、リフォーム工事における人手不足解消のための多能工実践プログラムを開始しました!
第1弾として、トイレリフォームを一人ですべて完工できる『トイレリフォーム実習(内装工事)』の実習を行います。現場施工で、便器の設置、配管はできるが内装の仕上げはできない人のための体験型技能講習となります。
申込みは、みらい会会員様経由優先とさせていただきます。

トイレリフォーム実習の詳細は こちら




【2】エコ次郎先生とエコ娘のなるほど講座
本日のお題 【世界の水問題】
エコ娘 エコ次郎先生、こんにちは。やっと残暑を抜けて涼しくなって来ましたね!朝晩は日によっては寒く感じる日もあって、1日中半袖で過ごしていた日々が早くも懐かしいです。
エコ次郎 エコ娘くん、こんにちは。やっと激しい暑さから解放されて、ホッとしましたよね。夏本番も残暑も違いが分からないほどに厳しかったですから、今はゆっくり体を休めて夏の疲れを取りたいですね。
エコ娘 暑さが落ち着いたら天候も落ち着いて、先月勉強した水問題の危険性も聞かなくなって、本当に良かった良かった!あ、でも先生、先月から気になっていたんですけど、日本の水問題って夏の一過性じゃないですか。でも世界には通年水問題に晒されていて、飲み水さえ手に入らない国もまだあるんですよね?
エコ次郎 自分の国の問題だけではなく、世界にも目を向けていたなんて、エコ娘くんの視野はどこまでも広いのですね!素晴らしいです。
おっしゃる通りで、世界の水問題は本当に深刻で過酷で、生きる事そのものに常に危機をもたらしている状況の国が多くあります。 私たち日本人は蛇口をひねれば年中無休で安全な水を得ることができますが、世界では22億人もの人が安全に管理された水を使用できずにいます。これは10人に3人の割合です。さらに10人に1人、およそ7億8500万人は基本的な水サービスを受けることができません。このうちおよそ1億4,400万人は湖や河川、用水路などの未処理の地表水を使用して生きているんです。
エコ娘 そんなに水に困っている人がいるんですか?!用水路の水って、そんなの飲んだら病気になっちゃうじゃないですか!どうしてこういう現状になっているんですか?
エコ次郎 国によって状況や環境が違うので、何が原因で水問題が起きているのか?に違いはありますが、概ね下記のどれかです。

(1) 衛生設備の不足による水質汚染
(2) 世界における水の使用量増加
(3) 世界的な地球温暖化
(4) 開発による水源の破壊
(5) 水をめぐる紛争


やはり一番多いのが衛生設備の不足による水質汚染ですね。世界では水道やトイレ、下水道といった衛生設備のない国が多くあって、その結果、生活排水がそのまま流されるために近隣の河川が汚染され、安全な水が手に入らない地域があるのです。安全に管理されていない水は、動物の糞尿やウイルス、菌が混じっているため、そのまま飲むには非常に危険なのですが、現状それしか飲むことができず、不衛生な水が原因で5歳を迎える前に命を落とす子どもは毎日700人にものぼります。また、石けんを使った手洗いができないことで、病気や下痢症によって亡くなる人もいます。特に、抵抗力の弱い子どもにとってこの問題は大変深刻なのです。
エコ娘 そうなんだ、、、私が想像していたよりもずっと深刻で驚きました。
不衛生な水なんて私は生まれてから一回も飲んだことがないし、お風呂もトイレも当たり前に使えて、日々「衛生的な生活」をする教育を受けて来たから、それができない中での生活なんて考えたこともなかったです。
エコ次郎 私たちの当たり前は、決して世界の当たり前ではないのですよね。
衛生設備のない国では家に蛇口が無いので、みんなタンクを持って川や池や遠方の井戸などに水を汲みに行くんです。もちろん、水汲みは生きるために重要な仕事なのですが、この役目を担っている多くが女性や子どもたちです。
エコ娘 え、女性と子どもが?!だって2Lのペットボトルを2本持つだけでも重たいのに、女性と子どもが毎日水を運んでいるなんて、考えただけでツライです。。1日にどれくらいの距離を運ぶんだろう?
エコ次郎 平均で1日およそ6kmと言われています。20Lのポリタンクを頭に乗せて運ぶ人や、200Lのドラム缶をリヤカーに乗せて運ぶ人がいたりするようですが、どちらも信じられないほど体への負担は大きいですよね。そして、水汲みのおかげで学校へ通う時間が持てず、教育の機会を失っている女性と子どもが多いことも問題となっています。
エコ娘 そんなぁ!水汲みで学校にさえ通えないなんて、悲しすぎます。きっと世界に羽ばたける能力を持った人だってたくさんいるはずなのに、そのスタートラインにさえ立つことができないのは世界にとってもマイナスなんじゃないですか?これは絶対に改善されて欲しいです。
先生、水問題の原因に戻るんですけど、2つ目の水の使用量の増加は、どんな用途で増加しているんですか?
エコ次郎 一番は農業用水です。世界では70%もの水が農業用水として使われているんですよ。しかし、発展途上にある中東や北アフリカ地域などの国では、農業や帯水層を利用した灌がい農地の拡大が積極的に行われているため、より多くの水が農業に使われ、結果として生活用水や飲料水が不足してしまっているのです。
他にも、世界的な人口の増加や産業の発展も水の使用量を増加させている、ということもあります。
エコ娘 そっか、物理的に使える水の量が少ないと、発展のための水と命につながる水が取り合いになっちゃうんですね。これも日本では考えられないことですね。
エコ次郎 そうですね。水のありがたさ、何不自由なく使えるありがたさを噛み締めてしまいますね。
エコ娘 本当にそう思います。
5つ目の水をめぐる紛争っていうのはどういうことなんですか?
エコ次郎 これは、水の配分や所有権に関する争いや、上流地域での汚染物質排出に対する問題などのことです。特に、インフラが整っていなくて乾期も厳しい中東エリアでは、水をめぐる紛争が絶えなくて、例えばイスラエルやヨルダン、レバノンといった国では、ヨルダン川の所有権や水の配分をめぐって争いを繰り広げて来ましたし、その北東部では、トルコやイラク、シリアがチグリス・ユーフラテス川の水資源開発と配分を巡り争ってきた歴史もあります。今でもこの紛争が原因の水不足に苦しむ人々は多くいるのです。
エコ娘 なるほど、これは隣国と陸続きでない島国の日本には起こり得ない紛争ですね。国境を共にするって色々と難しいんだなぁ...。
エコ次郎 本当にその通りですね。先月勉強したように、日本には日本の水問題がありますが、でもそれは日本の地形や環境など自国内での問題であって、少なくとも生きるために隣国と争うという悲しい現実はありません。命の根源は水ですから、彼らにとってはまさに死活問題。私たちは「自分たちは関係ない」ではなく、世界で紛争が起きないために、そして幼い命が水によって奪われないように、世界全体で水問題に取り組む必要があります。
エコ娘 なるほど。私にもできることがあったら微力でも力になりたいな。
おそらくそれに向けた活動や支援は世界で色々となされていると思うんですけど、きっと日本の企業が得意とする分野だと思うので、今回は日本の企業の取り組みを教えていただきたいです!
エコ次郎 かしこまりました。では次の項目では、日本の企業が行っている支援や活動についてご紹介したいと思います。
エコ娘 早く知りたーい!よろしくお願いします!

【3】世界の水問題に対する日本企業の取り組み

 
ヤマハ発動機
 ヤマハ発動機は、2000年代から村落向けに浄水装置の開発を行い、2010 年から『ヤマハクリーンウォーターシステム』の販売を開始。2023年8月までに、アフリカ・アジアを中心に50基の導入実績があります。浄水装置の使用者となる現地の村落、病院や学校などは、装置を購入するための資金がないため、ODAや国連機関からの公的資金を用いて設置を進めています。また、設置だけに留まらず、これからこのシステムを活用する集落の子どもたちに対して、これまでの生活用水(河川等から汲み上げた水をそのまま利用)の危険性と、安全な水の重要性をより深く理解してもらう啓発活動を行っています。

三菱ケミカルアクア・ソリューションズ
 三菱ケミカルアクア・ソリューションズは、1952年に前身の日本錬水株式会社が事業を開始して以降、70年にわたり水処理、分離精製事業を行っています。アフリカでは、国連開発計画(UNDP)と共同で、ケニア東部州マチャコス県の約40世帯のコミュニティに浄水を供給する事業を展開しています。現地では電力が利用できないため、動力が不要でメンテナンスも容易な『緩速ろ過装置』を設置し、近隣の運河から引いた水を浄化して地元住民に供給しています。それと同時に、浄化した水を地元住民が近隣の人々に販売して現金収入を得る浄水ビジネスモデルも開発。安全な水供給等の環境配慮型ソリューションの取り組みも積極的に推進しており、UNDP や JICA との協業も高い評価を受けています。

Mizuha
 Mizuhaは、大気中の蒸気を液体化し、飲料水へと変える技術を持つ『空水機』を販売、エジプトで注目を集めています。現在エジプトは、水資源の95%をナイル川に依存していますが、今後も急激な人口増加が見込まれており、水不足が懸念されています。また、カイロ東の砂漠地帯に、「首都移転計画」が進められていて、これまで頼ってきたナイル川以外の水源が求められているのです。 Mizuhaは2023年8月から現地5か所で実証実験を行い、11月15日に正式にエジプト政府と契約を結びました。今後はアフリカや中東で広く販売していく予定です。

Sunda Technology Global
 Sunda Technology Globalは、ウガンダで『井戸を始めとしたコミュニティ共有型水源の持続可能なO&M(オペレーション&メンテナンス)の仕組み』を構築しています。中でも、継続的な水料金回収とそれによる継続的な井戸の稼働を実現するために、自動化された料金回収の仕組みを採用しています。 また、現金ではなくモバイルマネーによる支払いと管理をすることで、回収金管理の安全性も向上。利用料に応じた課金により、公平性も高め、住民も安心して支払えるようになりました。これは技術的ハードルだけではなく、心理的ハードルの解消にもつながっています。 現地では、元々「水にお金を払う」という習慣がありませんでした。そのため、水道管理担当者といえども同じ村人が、隣近所から水道料金を回収する、ということには抵抗感があり、回収がしづらい側面がありました。しかし、モバイルマネーにより、半ばシステマティックに回収できるようになったことで、この抵抗感が薄れ、水道料金の支払いという「新たな慣習」が浸透するようになりました。結果的に水道料金の回収しそびれることが減り、また回収した水道料金の盗難リスク軽減にも繋がっています。


上記以外にもたくさんの企業や団体が、水問題の解決に力を注いでいます。私たち個人がいきなり現地へ赴いて何かができる訳ではありませんが、自分が協力したいと思う支援内容や理念と近い活動をしている支援団体へ寄付を行うことも、立派な支援です。こういった方法での協力もぜひご検討くださればと思います。



【4】編集後記 〜エコ次郎の小ネタ横町〜

 皆さま、こんにちは。エコ次郎でございます。今月の大相撲も終わってしまいましたね。千秋楽をTVで見ていて、番組の最後に「今年の大相撲も来場所が最後になりますね」というようなことを解説の方がおっしゃっていて、一瞬驚いてしまいました。通常ですと9月場所は秋真っ只中での開催ですが、今年は夏場所かと勘違いするような暑さの中だったので、まさか2ヶ月後が1年を締めくくる九州場所とは...。さすがに11月は半袖での観戦は無いと信じたいです。

 さて、今日は今月知り合ったパイロットの方から聞いた、驚きのエコネタです。以前からの知り合いが「パイロットの人が戦闘機の話しを聞かせてくれるから、一緒に行こう」と誘ってくれて、私もご一緒しました。そのパイロットの方は、以前は航空自衛隊でF15戦闘機に乗っていたそうで、なかなか聞くことのできない貴重な裏話しを聞かせてくれました。今は航空会社で旅客機を操縦しているそうなのですが、趣味は昆虫を育てることだそうで、「この前、行きたかったカブトムシの即売会に間に合わなかったら困るから、フライトをぶっ飛ばして40分巻いて、無事に狙っていたカブトムシを手に入れたんです!」とおっしゃるのです。40分巻き?!飛行機ってそんなことをして良いの?!と驚いて伺ってみると、「別にいいんですよ。お客様だって遅延は困るけど、早く着く分には困らないし、それに40分早く着けばそれだけ燃料も使わずに済むからエコですしね!」と得意げにおっしゃるのです。スゴイ、飛行機でエコとは...。今まで私が取り組んでいた小さなエコ活動が、ミジンコくらい小さく感じた瞬間でした。

 ちょっと凹んだエコ次郎でしたが、色々と考えていくうちに「でも、このスケールのエコをできる人間は限られている」という当たり前のことに気づき、さらに「このエコに取り組もうと考えるパイロットは稀だろう」という思いに至ったので、雲の上の他人と比べて凹む必要はなさそうですね。私は、自分のできる範囲で日々のエコ活動を頑張っていこうと思います。



[発行] 東雲研修センター  https://www.eco-reform.org/
    東京都江東区東雲2-9-7   東雲配送センター内
    営業日 月〜金:9時〜17時  土:応相談
    お問い合わせ 03-3665-9033(本社窓口)

 ※送信が不要の場合は、その旨このメールへの返信でご連絡ください。