2023/10/30 14:29:07
  • 東雲研修センター  ニュースレター No.53

  東雲研修センター  ニュースレター No.53
{COL2}様

 いつも東雲研修センター及び公式HPをご利用頂きましてありがとうございます。

 今年は長く暑過ぎる夏でしたが、やっとそんな夏が終わったと思ったら直ぐに日中と朝晩の寒暖差が激しい冬の空気が見え隠れするような季節になりました。もう暖房の準備は出来ていますか?暖房と言えば、健康に良いとされる「頭寒足熱(頭は涼しく、足元は暖かい状態)」の効果を得られると昨今注目を浴びているのが床暖房です。床暖房を設置するには、他の暖房に比べて多くの初期費用が掛かるため手軽に導入とは行かないですが、検討をされている方は多いと思います。そこで今回は、既に床暖房を検討されている方にも、いずれ検討したいと思っている方にも床暖房の魅力を知って頂きたいと思います。

 ひとえに床暖房と言っても種類がいくつかありますし、それぞれにメリット・デメリットがありますので、今日は床暖房について一緒に学んで行きたいと思います。

                                  橋本総業株式会社
                                  東雲研修センター事務局


INDEX
【1】研修情報‥‥東雲研修センター 定期研修情報
【2】エコ次郎先生とエコ娘のなるほど講座‥‥【床暖房の種類】
【3】床暖房のメリット、デメリット
【4】編集後記‥‥エコ次郎の小ネタ横町
 
【1】東雲研修センター 定期研修情報
 ◎東雲研修センターは感染予防対策徹底中!!
   東雲での研修は、実習を伴うことから濃厚接触の可能性があります。
   感染防止には万全の体制で臨んでおります。詳しくはHPをご覧下さい。

 東雲研修センターの定期研修は、直接のお客様だけでなく、メーカー様や関係団体、橋本総業(株)と多少でも関係のある方々でしたらどなたでも受講できます。
 現在東雲研修センターで募集している研修のご案内です。特徴は、座学だけでなく研修によって現調、試運転、設置、組立などの実習が含まれていて、ホームページから申し込みが出来ます。是非ご検討下さい。



【現在受講生募集中の研修一覧 (2024年3月まで) 】
11月2日(木)エアコン施工研修10:00〜17:0012,000円10名
11月17日(金)ガス可とう管資格研修10:00〜17:0017,000円30名
11月21日(火)便器・WL設置研修10:00〜15:0010,000円15名
12月7日(木)エアコン施工研修10:00〜17:0012,000円10名
12月12日(火)配管接続研修10:00〜14:006,000円15名
1月11日(木)エアコン施工研修10:00〜17:0012,000円10名
1月16日(火)システムバス現調研修10:00〜15:006,000円15名
1月23日(火)ガス給湯器・ハイブリッド給湯器現調研修10:00〜15:006,000円15名
2月6日(火)キッチン現調・施工研修10:00〜16:006,000円15名
2月22日(木)便器・WL設置研修10:00〜15:0010,000円15名
3月22日(金)パッケージエアコン施工研修10:00〜17:0015,000円6名
3月28日(木)エアコン施工研修10:00〜17:0012,000円10名

  * 今年度より一部の受講料を部材価格の影響から改定させていただきます。ご了承願います。

 お申し込みは こちらから

 ◎東雲で開講の研修は昼食をご用意しています。
 ◎受講料は税込です


【2】エコ次郎先生とエコ娘のなるほど講座
本日のお題 【床暖房の種類】
エコ娘 エコ次郎先生、こんにちは!最近朝晩が冷えますねー。ちょっと前まで家の中では靴下も履かないで床のひんやり感が心地良かったけど、今はもう靴下とスリッパが手放せないです。
あ、そう言えば前にエコ次郎先生のお家に床暖房を設置するって聞いた気がするんですけど、その後どうなりました?
エコ次郎 お〜、さすが良く覚えていますね。無事に工事も終わりまして、今月の下旬から丁度使い始めたところです。
エコ娘 そうなんだ!どうですか?使い心地と言うか、やっぱりあると無いとじゃ全然違います?
エコ次郎 そうですねぇ、「もう無い生活には戻れない」というのが私の感想ですね。今まで良くあんなに冷たい床で生活をしていたものだなぁと思う程に今は足元が暖かいですし、噂に聞いていた通り部屋全体が優しくほんわか暖まっているのでとても快適ですよ。
エコ娘 そうなんだぁ〜、羨ましいです。でも初期費用が高いんですよね?床暖房って。うちもあったらなーって思うけど、あんまり高いとパパとママに「うちも床暖房にしようよ!」って軽々しく言えないから。でも羨ましいです!!
エコ次郎 そうですね。確かに床暖房は初期費用が掛かるので手軽に設置という訳には行かないと思いますが、床暖房にもいくつか種類があって、予算に合わせて選ぶこともできますので、まずはどんな種類があるのかご紹介しましょう。
まず大きく分けると「電気式床暖房」と「温水式床暖房」の2種類があります。 電気式床暖房は、床下に敷いたヒーターで発熱させて暖める仕組みで、パイプの工事が必要無いこともあり、リフォームなどの場合に向いています。 温水式床暖房は一旦お湯を沸かし、そのお湯を床下に配置したパイプなどを循環させて部屋を暖めるシステムで、熱源となるお湯を1箇所で沸かしてパイプに送り込むので、1台の給湯器で複数の部屋を暖めることが可能です。
エコ娘 へぇ、床暖房に種類があるなんて知らなかったです!
エコ次郎 そうですよね。ザックリと分けた2種類ですが、それぞれに更に細かい種類があるんですよ。 電気式床暖房には(1)蓄熱式床暖房、(2)PTCヒーター式床暖房、(3)電熱線ヒーター式床暖房があり、下記がそれぞれの特徴です。
(1)蓄熱式床暖房…主に電気代の安い深夜電力を利用して蓄熱し、日中に放熱させる。
(2)PTCヒーター式床暖房…自身の温度に反応して通電量を抑制するという特徴をもつ「PTCヒーター」を熱源に使用する方式で、暖房面の一部の設定温度が高くなるとその部分だけ発熱を抑え、無駄な電気を抑えられる。
(3)電熱線ヒーター式床暖房…サーモスタットや温度ヒューズが内蔵されているため安全性が高く、施工性も良い。
エコ娘 PTCヒーターって初めて聞きました。床暖房に蓄熱式があるのもビックリ!色んな暖め方があるもんですね。
エコ次郎 床暖房と一言で言っても意外と深い世界なんですよ。
続いては温水式床暖房です。(1)温水式電気床暖房(ヒートポンプ)、(2)温水式ガス床暖房、(3)石油式床暖房がありまして、それぞれの特徴は下記の通りです。
(1)温水式電気床暖房(ヒートポンプ)…室外機と熱交換機を使って大気から熱を取り出し、その熱で循環液を温めて、その高温となった循環液を床下を通して床を温めるシステム。自然エネルギーを利用するため、エコでランニングコストが安いのが特徴。
(2)温水式ガス床暖房…床暖房専用、もしくは給湯器と兼用のガスボイラーで沸かした湯を利用する方式。ガス式はヒートポンプ式より立ち上がりが早いのが特徴。
(3)石油式床暖房…床暖房専用の灯油ボイラーで沸かした湯を利用する方式。ランニングコストが安め。
エコ娘 こんなに種類があったなんて。これなら予算に合わせて選ぶことが出来るから、検討できるご家庭も増えますね!私もパパとママに話してみようと思います!ママも酷い冷え性で、毎年冬は靴下を重ね履きしたりレッグウォーマーで寒さを凌いだりしているから、あったらいいな♪
ちなみにエコ次郎先生のお家はどの床暖房にしたんですか?
エコ次郎 我が家は私の師匠の勧めでヒートポンプ式温水床暖房にしました。まだ使い始めたばかりで電気の使用量が分かりませんので、決め手となった“ランニングコストが安い”と言う点が実際どれくらいのものなのかはこれからですが、今の時点では思い切って設置して良かったです。
使ってみて意外な発見もありましたよ。今まで雨や曇り空で洗濯物を外に干しても乾かない日は、浴室衣類乾燥で乾かしたり、コインランドリーを利用していました。けれど床暖房を点けていると室内の空気が暖まっているので、洗濯物を室内干ししておくとこれが結構乾くんです。今は夜の団欒の時しか床暖房を使用していないので寝る前に電源を切るのですが、「明朝は忙しくて洗濯機を回す暇が無いから夜のうちに洗って部屋干ししておいて、朝すぐに外に干せる状態にしておこう」という時でも、余熱で結構乾いてしまっているんですよ。そうなると翌朝外に干しても昼過ぎには乾くので、午後も外出の予定があることの多い妻は助かると言っていますね。
エコ娘 それって一石二鳥じゃないですか!洗濯物は盲点だったな。
エコ次郎 二鳥よりもっとだと思います。室内はエアコンや石油ファンヒーター、洗濯物で浴室衣類乾燥を使用していたらダブルで電気代が掛かりますし、浴室衣類乾燥は換気も一緒に回していないと洗濯物の湿気で浴室内の湿度が上がってしまって、カラッと乾かないんですよね。しかし換気もするとどうしても温度は下がるので乾くまでに時間が掛かってしまう。乾きにもムラがありますしね。でも床暖房の室内でしたら輻射熱で部屋中が暖まっているので、ただ干しておくだけで良いのです。洗濯物の場所を定期的に入れ替えて乾き具合を心配することもありません。この点だけ見ても設置した価値は十分にあったと思っています。
エコ娘 聞けば聞くほど、益々興味が湧いてきました!衣類乾燥は棚ぼたっていう感じかなと思ったんですけど、推奨されている効率的な使い方っていうのもあるんですか?少しでも有益な情報は知っておきたいです!
エコ次郎 もちろんお得な使い方はありますよ。床暖房は床から部屋全体を暖め、風もなく頭寒足熱の理想的な暖房と言われていて、基本的にはエアコンなど他の暖房の併用が不要です。ただ、立ち上がりが電気式よりも早い温水式でもエアコンやファンヒーター程の速暖性は無いので、なるべく早く暖めたい場合は使い始めだけエアコン等を併用すると良いでしょう。
床暖房が最もエネルギーを消費するのは、部屋が冷えた状態で電源をONにして、起動してから一定の温度に達するまでです。一度暖まってしまえば低いエネルギーで済むので(立ち上がり時のおよそ3分の1以下)、なるべくON/OFFを繰り返さないことが大切です。また、電源をOFFにしてもしばらくは暖かさが続くので、外出や就寝の際は間際ではなく30分程前に電源を切るようにすると、その分の光熱費がカット出来ます。
エコ娘 より良い使い方ってやっぱりあるんですね!もうねぇ、興味津々で今すぐ欲しいっ!そんな勢いです(笑)
エコ次郎 なかなか即決できるものでは無いと思いますが、エコ娘くんのその情熱がご両親の心に響いたら嬉しいですね。陰ながら応援しています。
補足なのですが、床暖房は床からの輻射熱で部屋を暖める仕組みなので、床暖房対応ではないラグやカーペットを敷いたり、床に密着する大きめの家具などを置いたりすると熱の伝わり方が鈍くなってしまいます。その為、床を覆うような家具や敷物は置かず放熱を促すようにする点と、窓から冷たい外気がなるべく入らないように厚手のカーテンで遮断したり、保温効果の高いカーテンを選んだり、断熱シートを貼って熱気が逃げるのを避けたりするのがおすすめです。この点もご両親へのアピールに盛り込んで頂けたらと思います。
さて、ここまで詳しくなったら、床暖房の種類別のメリット・デメリットも知りたくなりますよね?次の項目ではそこを詳しくご案内させて下さい。
エコ娘 さすがエコ次郎先生、良く分かっていますね!笑 ではよろしくお願いしまーす!

【3】床暖房のメリット、デメリット

 昨今注目を集めている床暖房ですが、高額な初期費用と設置工事が必要になると言うデメリットがある一方で、ヒーターやエアコンでは得られない優しい暖かさが良いと、ユーザーからは好評です。他にもメリット・デメリットがありますので是非今後の参考にして頂けたらと思います。

メリット
(1) 体にやさしい(共通)
 床暖房は、床から出た熱(赤外線)が壁や天井まで到達し反射することで部屋の中を均一に温めてくれる『輻射』なので、健康に良いと言われる“頭寒足熱”が実現。足元を暖め、頭は冷やした状態である頭寒足熱は顔がほてったり、頭がボーっとして集中力を削ぐ事が無いので、お子さんの勉強にも、在宅ワークの大人にも優れた環境に。また、ヒーターやエアコンのように部屋の湿度が下がらないので肌や喉が乾燥しにくく、抵抗力が弱くて風邪やインフルエンザに罹りやすいお子さんや高齢の方にも安心。

(2) ダニやカビが発生しにくい(共通)
 ヒーターでは窓際に結露が出来やすく、湿気によるダニやカビが発生しやすくなるが、床暖房は水蒸気が発生しない為にその心配が低い。

(3) 特別なお手入れ・掃除が不要(共通)
 床暖房にはエアコンのフィルター掃除のような日常的なお手入れはほぼ不要。また、ストーブやファンヒーターのように床に置くものでもないため、季節ごとに出したり仕舞ったり、収納スペースの確保も不要。

(4) やけどや事故の心配が少ない(共通)
 ストーブやファンヒーターのように熱源に触れてしまう心配が無いため、小さなお子さんやペットがいるご家庭でもやけどや事故の心配が少ない。
※温水式の場合は設定温度が40℃までしか上がらないが、電気式は45℃まで上げる事が出来るので、低温やけどには注意。

(5) 構造がシンプルで施工しやすい(電気式)
 電気式は電熱線のヒーターパネルを敷くだけなので、施工しやすい。工事も簡単で短時間で完了するため、リフォームでも導入しやすい。また、大きさを柔軟に変えられるため、部分的に床暖房を設置したい時やトイレなどの省スペースのみに設置したい場合に向いている。

(6) 温度調節がしやすい(電気式)
 設置したヒーターには温度を調整するサーモスタットや温度ヒューズが設置してあるので温度調整がしやすいため、住まいの気候に合わせて最適な温度で使うことが出来る。

デメリット
(1) 設置費用とランニングコスト(共通)
 一般的な傾向として、温水式は設置費用が電気式と比べると割高でランニングコストは安く、電気式は設置費用が安く抑えられるがランニングコストは温水式と比べると割高。

(2) 部屋が温まるまでに時間がかかる(共通)
 立ち上がりが早い温水式でも快適な温度になるまでに最低でも30分〜1時間、電気式は2時間〜3時間も掛かるため、急ぎの暖めには非対応。また、ほんの短時間だけ暖めたい時にも不向き。タイマーを上手く活用する必要がある。

(3) メンテナンスが必要(温水式)
 温水式は、温水を通すパイプはほぼメンテナンスが不要だが、寒冷地ではポンプ内の水が凍らないように不凍液を使用していて、この不凍液は約10年で交換する必要がある。また、お湯を温めている熱源機が故障した際には、部品交換またはすべて新しいものに入れ替える必要がある。

(4) 水濡れに弱い(電気式)
 電気式は、大量の水がこぼれたり、床下浸水したりすると漏電する危険性がある。直接通電することで床面を温めているので、大量の水分は禁物。感電を防止してくれるアース線付き床暖房であれば万が一の時も安心。


このように、電気式と温水式にはそれぞれに特徴がありますので、予算ももちろんですが、床暖房に何を一番重視するのかを良く考え、ご自宅に最適の種類を選んで頂きたいと思います。



【4】編集後記 〜エコ次郎の小ネタ横町〜

 皆さま、こんにちは。エコ次郎でございます。芸術の秋、スポーツの秋、食欲の秋、皆さまはどの秋を楽しんでいますか?

 私は先週末、ランニング用の道が整っている千葉県の某公園に出かけ、直ぐ近くにある道の駅にも足を延ばしてスポーツと食欲の両方を楽しんで来ました。そこは1周20km弱の沼で、ランニング&歩行者用の道路とサイクリングロードが整備されていて、ピクニックや野鳥観察にも向いているので週末には多くの人が訪れています。トイレの設置も非常に良心的な数と距離間で、とても配慮されている点も魅力です。

 先日ここでトイレを利用した時のことです。入室すると床より1段高い位置に便座のみが置いてあって、水を流すレバーも無く、便座の両脇に手すりが付いているのみでした。便座の中を覗くと見えるのは木チップ。そうです、『バイオトイレ』だったのです。バイオトイレは、人間の腸内バクテリアや自然界の微生物の働きを利用することによって排泄物を二酸化炭素と水に分解・処理するもので、便器の下に「おがくず」や「木チップ」「そばがら」などが敷き詰められた処理槽を設置し、排泄物が直接落ちていく設計です。ヒーターを使って温度管理を行いながら槽内のスクリューによって撹拌して空気(酸素)を取り込み、適切な温度と十分な空気を保つことによって好気性微生物の活動を活発化させるので、トイレの室内はほんわか暖かいです。となると『排泄物が温められて臭いのでは?』と思われるかと思いますが、そこは心配ご無用!全く臭くありませんでした。それよりも木チップの自然の良い香りが立ち込めて、まるで森の中で用を足しているかのような、不思議な開放感でした。

 常に電力が必要なため、一般的な簡易水洗式の仮設トイレに比べるとランニングコストが掛かるというデメリットもありますが、排泄物の処理に水を必要としないために水の確保が難しい山岳地域にも設置が可能ですし、断水時も使えますし、何より排泄物が自然由来の有機肥料へと生まれ変わる点に、私は強い魅力を感じています。たくさん食べて、たくさん出して、肥料を作る。実に素晴らしい循環型社会での貢献ですね。今後様々な場所で採用されたら嬉しいです。


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